オンライン国語教室・小論文教室オトモです。
このブログでは
中学で長期入院→不登校→高校中退→東大→国語専門塾運営
を経験してきた私、あもれが、
独学を効率的に進めるための学習方法を提案しています!
自力で資格試験や大学受験に挑戦したいと考えている人、
なるべくお金や時間をかけずに新しいことを学びたい人、
に、少しでもお役に立てるように解説していきますので
よろしくおねがいします!
①中学〜高校編
②大学編
③塾運営編
の、3回にわたって
私がなぜ独学を始めて、どのように改良していったのか・・・
体験談を中心に連載してきましたが、
今回が最終回です!
独学が得意になったきっかけ
- 中学・高校時代の不登校体験
- 大学時代の論文や本を通じての学び
- 塾の運営を通じてのケーススタディ ←いまここ
③ 国語教室での経験
東大に行って1つ、将来の目標ができました。
「個人で教室を開いてみたい!」
というものです。
前回までお話したように
私は病気がきっかけで中学・高校にほとんど行くことができなかったのですが、
その経験によって、はからずも「自力で勉強する」力がつきました。
また、学校に行けない子どもたちの存在と、その辛さを知ることができました。
さらには大学での研究も役立ち、
「自力で勉強する」ための方法論について自分なりの根拠付けもできてきていたので、
よくある「受験塾」とか「補習塾」といった
学校の基準に合わせるための塾ではなく、
「独学の力をつけるための塾」をつくることで
自分の経験を下の世代の人達にも役立てたいと考えたのです。
周囲の友人たちに「塾を作る!」と豪語していたら
運良く、塾経営をしている大学の先輩を紹介してもらうことができました。
(やりたいことを、口に出しておくと良いことがありますね)
すぐ会いに行って、友だちになって、バイトもさせてもらって・・・
さらに卒業後は、
「自分がやりたいと思う教育を、好きにやってみればいい」
という先輩のありがたい言葉とともに
新しい教室を1部屋まるごと
任せてもらえることになりました。
「学校に行っていない先生」
の誕生ですヽ(´ー`)ノ
なぜ、独学ができない子が育つのか。塾で発見した3つの原因
私の教室は学年を不問としていたこともあり、
様々な生徒さん、保護者の方との出会いがありました。
とってもたのしかったー。
学習塾なので
具体的な目標はそれぞれちがうにせよ、
「勉強ができるようになりたい!」
という意思のある人達が集まってくれます。
しかし
意思があるとは言うものの、
「どうしても自力で勉強ができない・・・」
という子も、もちろんたくさんいて、
その原因究明と対策に悩まされ続けました。
そこで
今日は、5年間の教室運営でわかった
「独学ができない子に育つ原因」
を、おおまかに3つに分けて説明していきます。
これに当てはまっていたら改善の余地ありです!
【原因1】 勉強嫌いを根性論で乗り切ろうとする
塾を運営していてまず、
根深い問題だなあ・・・・と思ったのが、
「勉強は嫌だけど、やるべきものだから我慢してやる。」
という前提の子(親も)があまりにも多かったこと。
「興味ないもの」「目的のわからないもの」って、
ぜーんぜんあたまに入らないですよね・・・だから結果も出なくて辛い。
その、非効率でつらい状態を、根性論で乗り切ろうとすることで、
ますます「独学」が苦手になっていく、
という負のループがたくさん見受けられました。
たとえば、
大量の宿題を出し、進捗を厳しく管理する
という方針の進学校(中堅の私立に多い)に通っている中高生が結構たくさんいたのですが、
このような環境下では、
大量の宿題を「片付けること」に時間と体力を奪われてしまいます。
疲れた状態では集中力が続かないため、
長時間だらだらと勉強することが習慣化します。
また、内容の理解よりスピードを優先して課題をこなすことで、
何を勉強していても好奇心が刺激されない状態が続きます。
それゆえ、記憶の定着力も学習効率も悪くなります。
そのような質の低い勉強を続けていると、
時間をかけたわりに結果が伴わないので、やる気も自信も落ちてきます。
さらに、常に疲れていて、忙しい状態が続くので
ちょっとでも時間ができるとスマホゲームやアニメ、漫画など、
気軽に、頭を使わず、受動的に楽しむことができるものばかり好むようになり、
時間をかけて1つのことに取り組むことが困難になります。
となると、
自力ではとても勉強ができないので
危機感を持った親御さんが塾に入れたがるのですが、
こういう時の生徒さんはもう、
「厳しく叱られない限り、できる限りさぼりたい」
というスタンスになっているので、
教室に来てもらってもなかなか集中できず、
好奇心を引き出すまでに時間がかかります。
こうして根性論の教育を受けた結果、
なんとも根性がない感じの子になってしまう
・・・という本末転倒な状況がたくさん見受けられました。。
【原因2】 自己省察が甘い
塾で保護者の方と面談をすると、
- 学年平均点
- 校内順位
を気にしている人が、あまりにも多くて驚きました。
その考えは子どもたちにも影響していて、
「テストの前に、頭のいいやつが不登校になったから平均点が下がってうれしいー」
と、中学生が無邪気に喜んでいるのを聞いた時には、
さすがに悲しくなりました。。。
当たり前なのですが、人がどうあれ、
自分が成長しなければ勉強の意味がないので
評価基準や目標を、狭い世界の周囲の人間との比較に頼りすぎると
自分自身のやるべきことを見誤りやすくなり、独学の効率は落ちます。
皆、寝たきりから、首が座って、ハイハイを始め、歩けるようになって、、、
という成長のスピードはそれぞれ違ったはず。
そして、スピードの差はあっても、
過去にできなかったことが、ちゃんとできるようになってきたはず。
自分はどんな風になりたいのか、なるべく具体的な像を描き、
今の自分に足りない能力は何かをしっかり把握して行動に移す。
それだけで確実に人は成長します。
受験勉強についても
過去問の合格最低点を調べて、
自分がその点数に届かない理由と対策を考える以外に
するべきことはないはずです。
私は偏差値すら、測る必要は無いと思っていますヽ(´ー`)ノ
「勉強ができない」理由は十人十色なので、
他人と比べる時間があるのなら、
自分が今、できていることと、できていないことを見極めて、
これからやるべきことを書きだしてみて整理するほうが
独学で力をつけるためには有意義です。
【原因3】苦手克服に時間を費やして得意分野を作らない
塾をしていると、よく
「苦手を克服したい!」
という相談を受けました。
が、
「その苦手、向き合う必要あるのかな。。。」
と、思う場面もしばしば見受けられました。
「漢字が覚えられない」という悩み
たとえば「漢字」を覚えるのが苦手、というご相談を
何度も受けたことがあります。
「漢字が苦手」にもさまざまなバリエーションがありますが
「文章中に出てきた漢字は読めるけれど、見ないで書くことができない」
という子は、けっこう多いです。
さらに、経験から言うと
文章全体を大まかに把握すること(速読したあとで要約するとか)が得意な子ほど
ハネやハライなどの「形」を正確に記憶することが苦手で
漢字テストのように、アウトプットの精密さが必要な場面で点数が取れないことが多いです。
このような子は、
漢字を何度も繰り返し書いて練習したところで成果は出づらいです。
もともと脚の遅い子に
「あなたも努力すればきっと、あの子と同じくらい速く走れるよ」
と言って、
毎日走る特訓をさせているようなものだとイメージしてもらえると良いです。
こういうことをしていると、
走ることも嫌いになるし、苦痛が増え、自信も減りますよね。。
このように、人間の特性はひとそれぞれで、
必ず強みや弱みがあり、
弱みの克服に注力しても、労力の割に報われないことがあります。
上のケースだと、
「漢字を正確に書けるようになる」ことをある程度諦めて、
代わりに努力できること
たとえば
本を読んでいてわからない漢字が出てきた時に必ず、読み方と意味を調べる
などのアプローチをしたほうが良いです。
これならば、細かい映像記憶が苦手な人でも成果が出やすいですし、
漢字を「書く」ことが苦手でも、読解力を強みにしていけます。
誰しも時間は有限なので、
何に時間をかけて学習するかは、個人で決めても良いと、私は思います。
「苦手克服」よりも「好き!」「やりたい!」を大切に
勉強においても、その他のことにおいても、
苦手なことを無理に克服しようとするよりも
得意を活かした学習法・学習内容に切り替えることがとても大切だと、
私は思います。
いわゆる「鉄道おたく」の子は
言われずとも難しい「地名」を覚えようとしますよね。
書けるようになりたいとも思うはず。
このように
「知りたいこと」「やりたいこと」があれば、
それを達成するために苦手を克服しようという強固な意志は後からついてくる
ものです。
「これならば、やってみたい!」と思えること1つ、
きちんと腰を据えてやってみることが
遠回りのように見えても、
じぶんの弱さや苦手意識を超える、いちばんの力になると思います。
まとめ
今回は、
塾での運営を通じて学んだ
独学ができない子に育つ3つの原因
について説明しました。
- 勉強が嫌だという気持ちを、根性論でごまかそうとする
- 他人と比較することに時間と労力をかけ、自己省察をしない
- 苦手を克服する努力に注力し、好奇心や得意分野を大事にしない
↑当てはまる人は、まず現状を改善することから始めましょうー。
次回からはもっと、具体的な話をしていきます。