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オンラインでの研修、リアルとなにが違う?? 

オンライン国語教室・小論文教室オトモです。
こちらのブログでは勉強のちょっとしたコツ、オンライン教室を運営しながら日々考えていることなどを不定期に掲載しております。

最近のオトモの大きな変化といえば、
講師が増えたこと、久しぶりに生徒募集を再開できたことです!✨
(時間がかかりました💦💦)

以前の記事にも書きましたが、最初はオンラインで人を頼ることのハードルが高く感じられ・・・
講師候補の方が現れても、「いっしょにやっていけるかな?」と悩んでしまって、採用に至らないことが続いていました。
(「優柔不断」という四字熟語を生徒さんに教える時、いつも自分のことを思い浮かべます。)

が、ようやく面談や採用試験時のチェック基準、研修の方法なども確立できてきました。

今日は、オンラインでの採用・研修を振り返り、
特に研修において伝えるべきだと思ったことをまとめていきます。

専門的な内容は省き、オンライン特有で、かつ見落とされがちな部分を中心にまとめていきますので、

  • オンライン授業の講師になりたい
  • オンライン研修のコツが知りたい
  • 塾やお稽古ごとの経営をしていて、オンライン化したい
  • オンラインでのコミュニケーションがどうにも苦手
  • オンライン会議やオンライン授業ってなんとなく進めづらい

といった方の参考にもなれば嬉しいです。
よろしくおねがいします!

リアルでのやり方が、オンラインでは通用しない!

オンラインでの採用・研修を通じてまず思い知ったことは
「オンラインでの研修と、実教室での研修で伝えるべきことは大きく違う」

ということです。

実は、教室を持っていた時はそこまで研修を重要視していませんでした。
今思えば、講師の方たちが

「空気を読んで」「背中を見て」「よしなに」

やってくれることを期待していたのです。

最低限の制度や方針だけ伝えて、
あとは実際に業務を進めるなかで、わからないところは質問してくれたらいいし、こちらが見ていて気になるところは注意をしたらいい
というスタンスです。

振り返ると、曖昧に進め過ぎていたと反省するところも多いのですが、
講師の質が高かったこと、風通しが良い雰囲気をつくれていたこともあり、
親しみやすい教室、働きやすい職場と言ってもらえることが多かったです。

マニュアルを作り込まないことで、一人ひとりがその場でベストな方法を考えながら授業を進めてくれるようになり、
個性やポテンシャルを発揮しやすい環境がつくれていたんじゃないかなと思います。
(最終的には、運営方法の提案までしてくれていました・・)

・・・しかし!

「空気を読んで」「背中を見て」「よしなに」

がすべて通用しないのがオンライン教室。
授業後のなんてことない雑談が信頼関係を作る・・・などということもありません。

その場で質問をすることができないのであれば
事前に全てを言葉にして説明しておく
ことが望ましいのですが
これがなかなか難しい・・!

どうしたら、何を伝えたら、
信頼関係を築きつつ、講師が自分の力を存分に発揮できるようなサポートができるのか。

考えました。

面談・試験は基本的にリアルと同じ。経験値が大切。

まず、前提として
面談と試験で、一朝一夕では身につかない部分(人柄・文章力・読解力・表現力)を見極めることが大切です。
これついては

  • 自分の経験を信じること
  • 他の運営者とも情報を共有すること

で、精度を高めていくしかないというのが、今のところの結論です。
(これはリアルも同じ。愚直に経験を積むしかない部分なのかも。)

オンラインの特性を理解してもらうことが大切

相手の講師としてのポテンシャルを信じられたら、いよいよ研修のはじまり。
何度か繰り返すなかで、最初に注力して伝えるべきことは専門知識より何より

「オンライン特有のコミュニケーション方法」

だと実感しました。

これは「人柄・文章力・読解力・表現力」がどんなに優れていても、
経験しないとわからないこと
、それでいて授業の質に大きく関わることだからです。

そして、フィードバックを得る機会がない割に、他人から指摘されないとなかなか欠点に気づけない部分でもあります。
ここでは研修において必ず伝えているポイントを、3点に絞って説明します。

1音質をクリアに

えっ、そんなこと?と思えるかも知れませんが・・・

オンラインのコミュニケーションは、五感のうち聴覚・視覚のみを使うため
どちらかの情報が曖昧になるだけで、質がぐんと下がってしまうのです。

リアルのコミュニケーションでは、相手の話が聞き取りづらいな・・と思ったらすぐ
物理的に近づいたり、聞き直したりするという対策がとれます。

しかし、オンラインのコミュニケーションは、音量を上げるにもデバイスによって限度があり、
何より音声が一方通行(片方が話している時は、片方のマイクがオフになる)なので、話の途中で「えっ?」と声をかけることが難しいのです。

そこで、できるだけ相手が聞き漏らさないような環境づくりに配慮する必要があります。

具体的には

  • マイクを使う
  • 1トーン高く、はっきりしゃべる

の、2点です。

・スピーカーではなく、マイクを使う

音質を上げる1つ目の方法は、単純にマイクを変えることです。

機材の音質が悪ければ、どんなにいい授業をしても届かないですからね・・・。

ちなみに私は、かなり高性能なヘッドセットをつかっています。雑音がカットできるのも、気に入っているポイントです。
買い替えて1回目の授業で、生徒さんが「聞き取りやすい!」とすぐに気がついてくれるくらい質が変わりました。

オンラインでのコミュニケーションがメインの仕事をする人は、ある程度質の高いマイクの購入を推奨します。

・普段より1トーン高く、はっきりしゃべる

2つ目に気をつけたいのは、話し方です。

子供の頃、家の人が電話をする時に声が1トーン高くなるのを不思議に思ったことありませんか?笑
あの話し方、実は合理的。基本的に、高い声の方が聞き取りやすいからです。

また、普段よりはっきりと、滑舌良く話すという意識も大切です。

国語の授業ではしばしば、生徒さんにとって初めて目にする語彙や表現が登場します。
そのため、ここの解説がぼそぼそと聞き取りづらいだけで、文章全体の理解が進まなくなってしまうのです。

わたしはひそかに、ラジオやテレビのアナウンサーの話し方を意識しています。
誰もが統一された聞き取りやすい話し方をしているので参考にしやすいのです。

ちなみに・・・
オンライン飲み会をやってみたものの、通常の飲み会より楽しめなかった・・・という経験をしたことはありませんか?笑
これはおそらく、

  • お酒を飲んで滑舌が悪くなったり、マイクとの距離が一定でなくなったりして、相手に話が伝わらなくなること
  • よく聞こえないからこそ、相手の話が終わるのを待たずに喋りたくなるけれど、声が一方通行でしか届かないこと

が原因です。
オンライン上では、意識的に喋らない限り、かなりの内容が相手に伝わらなくなってしまうということだと思います。

2 記憶に残りやすい画面をつくる

先ほど、聴覚と視覚だけを共有するのがオンライン授業だという話をしました。
この特徴を利点とするか、欠点とするかは「視覚」つまり画面情報の作り方にかかっていると、私は思います。

良い画面のづくりのポイントは2点

  • 自分の画面を客観視する
  • 書き込みや映像の使い方をマスターする

です。

・自分の画面を客観視する

ここでのポイントは、

「画面共有をした状態でも、生徒が見ている画面と、自分が見ている画面はちょっと違う

ということです。

これは、リアルの授業では考慮する必要のない、オンライン特有の問題です。
同じ空間で、1つのノートが講師には見えるけれど生徒には見えない・・・といったことはありえません。

しかし、オンライン上では講師が見せているつもりのものが、生徒からは見えていない・・ということがままあり
これが起こると伝えるべきことも伝わりません。

オトモの授業は、講師側の画面を共有して、教材や生徒さんの書いた作文を映しながら授業を進めますが、
常に自分の画面に集中するのでなく、相手からどのように見えているかを意識する必要があります。

具体的には、自分が映している映像より、相手が見ている映像のほうが若干小さく映り、そのぶん画質も荒くなる(デバイスによりますが・・)ので、
どのくらいのサイズに文字を拡大したら読みやすいかなど、感覚を掴んでおくことが大切です。

この点については、講師の方にも1度は生徒として授業を受けてもらうことで、生徒側の画面の映り方を確認してもらっています。

・書き込みや映像の使い方をマスターする

リアルでは気にしなくてような問題が発生する一方で、リアルではできなかったことができるのもオンライン授業。
画面に大きく文章を映し出し、文字情報に集中しやすい環境をつくれる
ことは、国語を教えるうえで大きなメリットだと思っています。

ここで大切なのは、書き込みの方法

何色を使うのか、何色使うのか、どこに、どんなマークをすればいいか、どんな言葉を書き込めばいいか・・・
工夫すればするほど、文章の構造が視覚情報として理解しやすくなり、記憶にも残りやすくなります

例えば、文章を読む時に「大切な部分に線をひく」というのは、よくある指導法ですが、
何が大切なのか、どんなところに注目をすればいいのか、生徒さんがよくわらかないまま「線を引く」行為だけを実践していることもしばしば。
そこで、授業のたびに、講師が大切な部分を説明しながらマークをつけていく習慣をつけると、生徒さんが自分で学習する際にも真似しやすくなります。

ちなみに私は「逆説」や「対比」に毎回同じ色や形のマークをつけるようにしています。
これだけでも文章構造をパターン化して把握しやすくなります。

また、ネットですぐに画像検索ができるのもオンライン授業の良いところ。
生徒さんが知らない名詞が出てきた時などに、画像を見せながら教養を深めてもらうのも、授業を印象付けるポイントです。

3 良い質問を用意する

先ほど、オンラインのコミュニーケーションは音声が一方通行で、話の途中で質問をしづらいという話をしました。
話に横やりを入れられないことは、授業を進めるうえで便利でもあるのですが、疑問をすぐに解決できないと相手にはストレスがたまりますよね。

そこで、大切なことは
講師から質問を投げかけることで、生徒さん側が話す時間を作る
ということです。

解説の途中で

「筆者と同じ気持ちになることってある?」と、感想を求めたり
「この言葉、聞いたことある?」と、知識を確認したり
「この指示語は何を指している?」と、クイズを出してみたり・・・

疑問や質問を挟みながら、対話形式で授業を進めるのがコツです。

これは、生徒さんの集中力をキープするのにも役立ちます。

一方的な講義形式でオンライン授業を行うと、聞いている側は次第にテレビを見ているような、受け身の姿勢になっていきます。
適度な緊張感を保ち、アウトプットをする機会
がなければ学習効率も悪くなりますし、何よりちょっと退屈です。

講師が予習の際に、この文章をあの子と読むならばこんな質問をしようかな・・と、想像し、良い質問を用意しておくことが大切です。

おわりに

今回は実際に研修でも伝えている、
オンライン授業におけるコミュニケーションのコツをお伝えしました。

ではまた!